幸せになる秘訣「楽しく生きるにはコツがある」

「目標設定」をほどよくして、ゆるやかな幸せを味わう方法

一日の終わり、皆さんはどんな気持ちでベッドに入りますか?「もっと頑張れたのに」と自分を追い込んでしまう人もいれば、「まぁ、今日はこれで良し」と肩の力を抜ける人もいるでしょう。私たちが日々抱く「どれくらいできると期待するか」という心のハードルは、「要求水準」と呼ばれます。この要求水準が、実は私たちの心のセルフケアや幸福度に深く関わっているんです。

今回は、「要求水準と幸せの法則」というテーマで、ブッダの教えや、ほっこりする童話「空飛ぶカメ」のお話を交えながらお伝えします。日々の仕事や勉強、家事、育児、そして自分自身との闘い――そんな毎日の中で、「程よい要求水準」を見つけ、心穏やかに生きていくためのヒントを、ここで共有してみましょう。

この記事は、YouTubeみぃぶぅのココロTVの「幸せになる秘訣「楽しく生きるにはコツがある」|おやすみラジオを元に記事にしたものです。ぜひ、動画もご視聴ください🎥

要求水準とは何もの?

まず、「要求水準」とは何でしょうか?簡単に言うと、自分が自分にどれだけ期待しているか、どの程度のパフォーマンスを当たり前と考えているか、という基準のようなものです。

たとえば、次のテストで何点取れるかを考えるとき。「前回プラス10点!」と燃えるAタイプさん。「まぁ同じくらいで十分かな」と落ち着くBタイプさん。「ちょっと下がっても仕方ない」とハードルを下げるCタイプさん。実際には、その時々のコンディションや運、不確定要素によって私たちの予想は揺らぎます。でも、長い目で見ると、「自分は常に高得点を期待するタイプ」や「そこそこならOKと考えるタイプ」、「安全ラインを低めに想定するタイプ」といった傾向が見えてくるものです。

この要求水準は、気づかないうちに私たちの心に重荷を与えたり、逆に守りの姿勢になりすぎたりする要因にもなります。

心のセルフケアと幸せの法則

「幸せの法則」は人それぞれですが、心理学的には、あまりに高い要求水準はストレスを生みやすく、低すぎれば成長の機会を逃すと考えられています。

Aタイプ(要求水準高め):理想に向かうパワーは素敵だけれど、現実とのギャップに苦しみがち。常に120点を求めてしまうと、「失敗」の頻度が増え、心がチクチクと傷みやすいのです。

Bタイプ(要求水準ほどほど):安定志向で堅実。無理なく生きる術を知っていますが、「もう少し頑張ればできるのでは?」と思いつつも変化を恐れてしまう場合も。

Cタイプ(要求水準低め):控えめで謙虚な生き方ができる反面、失敗を避けるあまりチャレンジ精神が薄れ、潜在的な能力を試す前に諦めることもあります。

このように、どのタイプにも長所と短所があります。大切なのは、「自分が今どのタイプに偏っているか」を見極め、必要に応じて要求水準を微調整することです。

ブッダと弟子のエピソード:他人ではなく自分のペースに注目

ここで、ブッダと弟子の小さなエピソードをご紹介しましょう。

ある日のこと、弟子の一人がブッダに尋ねました。「師よ、私は常に他人と比べてしまい、自分が足りない存在に思えて仕方ありません。どうすればこの苦しみから抜け出せるのでしょうか?」

ブッダは一本の小さな竹を手に取り、静かに答えました。「この竹を見なさい。竹は他の木と比べようとはせず、ただ自らが伸びるべき方向に少しずつ成長している。あなたも、他者ではなく自分の内なる成長に目を向けるのです。自分が今できることに取り組み、昨日よりほんの少し前進したなら、それで十分ではないか。」

弟子はその言葉を聞き、肩の力がふっと抜けました。彼は「過度な要求」を手放し、自分のペースで歩むことの価値に気づいたのです。

幸せの法則ー過度な要求を手放す

童話「空飛ぶカメ」:無理をせず、自分の幸せを見つける

次に、ご紹介するのは「空飛ぶカメ」という童話です。

昔々、山のふもとに一匹のカメがいました。カメは空を飛ぶ鳥たちを見上げ、「空ってどんな景色なんだろう?」と憧れていました。でも、どう考えてもカメに翼はありません。高い要求を自分に課して「絶対空を飛ぶんだ!」と頑張ったところで、物理的には限界がありますよね。

ある日、カメは鳥たちに声をかけ、少しだけでいいから空の景色を見せてほしい、とお願いしました。鳥たちは協力して、カメを短い時間だけ空へと連れて行きます。ふわふわした雲、遠くまで見渡せる地平線――その一瞬で、カメは空の素晴らしさを存分に味わいました。

しかし、長くは飛べません。カメは地面に降り立ち、「自分は鳥にはなれないけれど、こうしてちょっと空の世界を知れただけで満足だ。これからは自分のペースで地上を歩きながら、空を夢見てみよう」と考えました。

カメは、自分には無理なことを必死に続けるのではなく、自分なりの満足を見いだしたのです。これは、私たちが必要以上に自分を追い込まず、程よい要求水準で生きるヒントにもなります。

要求水準を適切に保つコツー幸せの法則

では、私たちが日常の中で心穏やかに生きるには、どうすれば良いのでしょう?ここで、要求水準を適度にキープするためのコツをまとめてみます。

1. 小さな成功体験を大切にする

「今日はちゃんと早起きできた」とか、「昨日より少しメール返信がスムーズだった」など、ささやかな達成感に注目します。こうした小さな積み重ねが「自分はちゃんとやれている」という自己肯定感につながり、無理なく要求水準を調整しやすくなります。

2. 他人と比べない

ブッダのエピソードでもあったように、竹は他の木と比べません。あなたにはあなたの人生、ペース、環境があります。他者を基準にすると、自分に過剰な期待を抱いたり、逆に卑下したりしてしまいがち。あくまで「昨日の自分」と比べて、ほんの少しでも前進していればOKです。

3. 目標を段階的に設定する

「大きな目標」は悪いことではありませんが、それを達成するためのステップを細かく刻んでみましょう。一度に100点を目指すのではなく、まずは60点、次に70点…といったように段階を踏むことで、過剰なプレッシャーを和らげられます。

4. 失敗を前提にしてみる

「失敗してもいい」と思えると、気持ちが楽になります。失敗はあなたがダメな人間だという証拠ではなく、新しい方法を試すためのデータ収集と捉えましょう。失敗に対する要求水準も下げて、「失敗しても、そこから学べれば上々」という柔らかな心持ちを育てましょう。

一日の終わりに、肩の力を抜いて

夜、布団に入る前。「ああ、今日はあれもできなかったな」と思うかもしれません。でも、その中で「これだけはできた」という小さな前進もあったはずです。要求水準を高めすぎると、いつまでたっても満足できず、疲れてしまいます。逆に低すぎると、あなたの素敵な可能性を眠らせてしまうかもしれません。

大切なのはバランス。自分の心が疲れてしまわないように、ちょっと要求水準のつまみを緩めてみる。それだけで、心はホッとひと息つき、長い人生の中でほどよいペースを保てるようになります。

まとめ

「要求水準」は、私たちの生き方や幸せの感じ方を方向づける重要な要素です。ブッダの教えや「空飛ぶカメ」の童話が示すように、無理をする必要はありません。自分なりのペース、そして日々の小さな進歩を見逃さないことが、幸せの法則であり、心のセルフケアにつながります。

一日の終わり、ほんの少しでも「今日の自分、よくやった」とねぎらってみてください。そうすることで、明日へのエネルギーがわいてくるはずです。ほんの少しの要求水準調整で、あなたの心はもっと軽く、幸福感はきっと高まるはずですよ。

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『いいこと3つ』を書き出すワーク
私たちは普段、うまく行かなかったことや足りていないことに気持ちの焦点を当ててしまいがちです。
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